本日はお忙しいところ、LPレコードコンサートにお越しいただきありがとうございます。
本日は通算で82回目となりますが、チェコスロバキア出身のピアニスト アルフレッド・ブレンデルの独奏を中心に聞いていただきます。ブレンデルは1931年チェコスロバキアに生まれました。オーストリアのグラーツ音楽院で学び、1949年にブゾーニ国際コンクールで4位入賞し同じ年にウィーンでデヴューします。1970年にはフィリップスレーベルと専属契約を結び、ベートーヴェン、シューベルトの作品を中心にたくさんのレコードを残していきます。私が初めてブレンデルを聞いたのは今から48年前のことでした。当時私は浪人生だったのですが、午後9時からの民放FMの番組でブレンデルが日本のコンサートホールでヤマハのピアノでシューベルトの「さすらい人幻想曲」を演奏しているのを聞いたのでした。しかもそれをエアチェック(FM放送をカセットテープに録音すること)したので何度も繰り返して聞きました。その頃はクラシック音楽を聴き始めて間もない頃で、クラシック音楽は静かな落ち着いた曲だと思っていたのですが、ブレンデルの演奏を聞くと緻密でありながらすごいエネルギーが感じられ、当時意気消沈していた私の大きな励みになったものでした。本日は他にシューベルトの曲を2曲聞いていただきますが、いずれもシューベルトの魅力溢れる曲ばかりですのでお楽しみいただけると思います。
最初に聞いていただくのはシューベルトのアルペジョーネ・ソナタです。アルペジョーネはシューベルトが活躍していた頃によく演奏された楽器ですが、今ではほとんど演奏されません。チェロより少し小さくて6弦でギターに似ている楽器のようです。シューベルトはアルペジョーネのためにこの曲を書きましたが、今ではこの曲を演奏する人がほとんどいないためチェロやクラリネットで演奏されるようになりました。クラリネットではジェルバース・ド・ペイエが録音を残しています。話は変わりますが、私は50才の頃からクラリネットを習っていますが、先生にド・ペイエのこの曲のCDを聞いていただいたところ、この曲に興味を持たれて5月2日のコンサートで取り上げていただくことになりました。今から聞いていただくシャフランの演奏を初めて聞いたのも「さすらい人幻想曲」を初めて聞いた頃なのでこの2曲を聞くと当時のこと、ラジオとカセットテープでクラシック音楽を聞いていた頃を思い出します。演奏時間は約23分です。
次にお聞きいただくのはシューベルトのピアノ三重奏曲第2番です。美しいメロディに溢れた明るい曲で、今日はこの曲をルドルフ・ゼルキンとブッシュ兄弟の演奏で聞いていただきます。演奏時間は約47分です。
3曲目はブレンデルが演奏するシューベルトのピアノ・ソナタ第20番です。最晩年の作品の第21番の方が有名ですが、この曲は第21番と違って明るい抒情的な曲です。メロディーも美しいので楽しんでいただけると思います。演奏時間は約38分です。
最後にお聞きいただくのは、シューベルトの幻想曲「さすらい人」です。ケンプ、ポリーニ、リヒテルの演奏も有名ですが、私には昔から何度も聞いたこの演奏が一番です。演奏時間は約21分です。
これからもアナログレコードの音質の素晴らしいさをこの名曲喫茶ヴィオロンの素晴らしいオーディオ装置で皆さんと一緒に楽しみたいとおもいますので、今後ともご来店の程よろしくお願いします。