プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 100」

福居は3ヶ月に一度、東京阿佐ヶ谷の名曲喫茶ヴィオロンでLPレコードコンサートを開催しているが、催しの前に品川駅構内にあるカレー店スパイスファクトリーで合挽キーマとチキンの合い盛りカレーを食べてから、新宿のディスクユニオンクラシック館に行くことにしている。店に入って、オペラの棚を見ているとM29800星雲からやって来た宇宙人が福居に声を掛けた。
「ココハナニガウマインヤ」
「ああ、谷さん、ここはレコード店なので食べ物は売っていません。食べ物なら地下街に有名なカレー屋さんやフルーツパーラーがありますよ」
「イヤ、100カイヲキネンシテムカシノギャグヲイイタクナッタダケヤカラ、タイハナイノヨ。トコロデナ二ヲサガシトルン」
「ぼくは最近、歌劇「イワン・スサーニン」を聞いて聞きやすかったので、グリンカの名作と言われる「ルスランとリュドミラ」のアナログレコードかCDを購入したかったのですが、序曲しかありません。日本語対訳のあるDVDがネットで買えるのですが」
「アンタハエイゾウニハキョウミガナインヤネ。デモゲルギエフハキクキガシナイ」
「そうなんです。それでもしかしたらと思って探しているのですがありません。それで次を探そうかと思っています」
「ソレハナンヤノン」
「今日のLPレコードコンサートでシューベルトのアルペジョーネ・ソナタをチェロとピアノの演奏で聞いてもらうのですが、アルペジョーネで演奏したレコードがないかと探しているのですが、おー、あったあった」
「ホタラ、チョビットソレヲキイテモラエルネ」
「ええ、マスターにお願いしてみます。それから前回のLPレコードコンサートでケルテス指揮ロンドン交響楽団のドヴォルザーク交響曲第8番と第9番を掛けたのですが、ケルテス指揮ロンドン交響楽団で第1番から第9番までYOU TUBE で聞けることがわかりました。それで全曲聴いてみたのですが、第5番の演奏が素晴らしくあったら買いたいなと思うのですが・・・あったあった」
「キタカイガアッタネ」
福居がレジを済ませるとM29800星雲からやって来た宇宙人が言った。
「ワシイッペンメイキョクキッサヴィオロンニイッテミタイトオモウトルンヤガ、イッテエエンカ」
「ええ、もちろん大歓迎ですが、ぼくは催しをさせてもらっているだけなので、会場内ではマスターの言うことは守ってくださいね」
「エエヨ。スキニシテ」
「じゃあ、入ってすぐ前にある3つのテーブルのどれかでご鑑賞ください。以前は4時間以上していたのですが、最近は2時間余りです。飲み物を頼んでなるべく長くいていただけるとありがたいです」
「モチロン、サイゴマデイテルカラアンシンシテ」
「そうしていただくと落ち着いてできます」