プチ小説「クラシック音楽の四方山話 宇宙人編 101」

福居は紅はるかを使った芋ご飯を母親が喜んで食べるので、近くのスーパーで紅はるかが売られているのを見るとすぐに購入するようになった。もともとは最近母親と一緒に食べるために鶏、キノコ、タケノコ、シャケ、五目などの炊き込みご飯をよく作るようになり、紅はるかにヤマサの昆布つゆを入れて炊飯すると美味しいと思ったのがはじまりだった。母親はもともとサツマイモが好きで、福居が就職するまでは芋を蒸したり石油ストーブの天板の上でアルミホイルを巻いて焼いたりしてよく食べていた。サツマイモは普通に焼いたのでは美味しく食べられないことを母親は知っているようで、引っ越しした時にそれまで使っていたストーブを処分すると焼き芋を作ることがなくなった。福居は塩辛いものが好きなので、アジシオをいっぱいかけたり塩辛を乗っけてたまに母が作ったサツマイモを食べていたが、美味しいと思ったことはなかった。しかしある日コンビニで紅はるかの干し芋が売られていて、買って食べたところはちみつを凝縮したような甘さに食欲がそそられて機会があれば食べるようになった。紅はるかがいつごろからメジャーなサツマイモになったか知らないが、茨城県の名産で干し芋の原料となっていることは最近わかってきた。食べると美味しいことは分かっているが、大阪府内のスーパーでは鳴門金時やシルクスイートが主流で紅はるかを見ることが少ない。しかし見掛けるとすぐに福居は購入する。といっても🍠を自宅で作ったことがないので、今度スーパーで見掛けたら購入して作ってみたいと思っている。自宅にあるのはガスコンロとオーブンの機能が使えない(一度火を噴いたことがある)電子レンジがあるだけなので、ガスコンロを活用して焼くしかないと思っている。そんなことを考えながら、近くのスーパーの野菜のコーナーを歩いているとM29800星雲からやって来た宇宙人が野菜のコーナーで腕組みをして考え込んでいた。福居は困りごとがあるのですかと声を掛けた。
「ソウヤネン、ワシ、ベニハルカガクイタクテ、コノアタリノスーパーニイッタンヤケドナイネンヨ。アンタアルトコシットルカ」
「うーん、紅はるかは人気がありますからね。ぼくもなかなか手に入らないくて・・・そうだ、谷さんは宇宙船をお持ちだから、茨城県まで行けば手に入るんじゃないですか」
「デモイバラキケンニハホカニヨウガナイカラネ。イバラキケンニハアンタノヨウナオモロイニンゲンガスクナクテ、マジメナヒトガオオインヨ」
「そういえば、大阪府民のような毎日面白いことないかと考えている都道府県民は少ないかもしれませんね」
「ソヤカラ、ワシハアンタヲタズネテクル。カイワガタノシメタラ、ホカノコトハニノツギナンヨ」
「そうですか、それは大阪府民を代表してお礼を言います。それじゃあ、なんなりと訊いて下さい」
「ホタラ、ツイデニオシエテホシイネンケド、ワシ、サイキン、スメタナノ「ワガソコク」ノメイバンヲサガシトルネンケド、アンタ、エエノンシットルカ」
「ぼくは昔から、ターリッヒ指揮チェコ・フィルのレコードばかり聞いているのですが、最近はクーベリックもよく聞きます。グラモフォン盤が有名ですが、オルフェオ盤もいいと思います。アンチェルやノイマンまで聞きたいと思っていません。チェコ・フィルのサウンドは独特なのかもしれませんが、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、ロンドン交響楽団の方がいい演奏をしていると思います」
「マア、ソレハアンタガセレクトシタラエエトオモウヨ。ヨーシ、キクゾトキイテミルカデハオオチガイヤトオモウワ。ソレニキイテミルカデハシツレイヤトオモウヨ」